五年を生きるゆり根と、一年で勝負する人参
倉地さんの畑には、ゆり根、人参、馬鈴薯、ブロッコリーが並ぶ。
そのなかでも、ゆり根と人参はとくに性質が離れており、管理の難易度も高い。
ゆり根は植えてから収穫まで5年。
5年間の積み重ねが、一度の病気で簡単に崩れてしまう。
“長さ”そのものがリスクであり、5年間の見立てがすべてだ。
一方で人参は、天候・土の状態・肥料の効き方に敏感な一年作物。
雨が降ったか、降らないか。その違いだけで形も収量も大きく揺れる。
5年先と今年。
異なる時間軸を同じ畑で同時に見続けることが、倉地さんの日々だ。
5年の積み重ねが形に現れる作物「ゆり根」
ゆり根の最大の課題は カルシウム不足。
5年間のどこかで一度でもカルシウムが不足すれば、
球が割れ、平べったくなり、締まりが失われる。
見た目にはすぐ現れないが、後々になって大きな差となる。
「ゆり根はね、足りないものがあると全部形に出るんだわ。」
しかも問題が起きたと気づくのは数年後。
だからこそ、今の判断が数年越しで問われると教えてくださった。
ゆり根の未来をつくるのは、「届く石灰(カルシウム)」だった
倉地さんが選んだのは、「スーパーカルシウム」だった。
消石灰やタンカルは、土を整える石灰。
スーパーカルシウムは、根から吸える石灰。
ゆり根には、こっちが効くんだわ。」
ゆり根は、いま不足している栄養を土に置いておくだけでは追いつかない。
根が確実に吸収できる形で届けなければならない作物だ。
「足りないものを、少しずつ積み上げる。5年後、しっかり形にして返ってくるようにね。」
その積み重ねは、確かにゆり根の姿に現れていた。
にんじんが応えてくれた、「やりすぎない」という選択
にんじんは、肥料を入れすぎると暴れやすくなる作物だ。
葉が立ちすぎることで倒れやすくなり、形も安定しないことが多い。
だからこそ、効き方が穏やかで、
天候に左右されにくいサンエー商事の有機系の肥料は、
にんじん栽培において大きな安心材料になったという。
とくに干ばつの最中に効かず、雨で一気に効きすぎてしまう肥料に悩まされていた頃、
アミノサッポロエースやパワフル化成シリーズの静かな効き方は、
畑のリズムを乱さない存在になった。
ゆっくり効く肥料は、にんじんにとってちょうど良いスピードをつくる。
過度に葉を伸ばさず、根の肥大とバランスよく育つことで形が揃い、
収量の安定にもつながった。
「足りなければ足せる。でも、入れすぎだけはどうにもならないからね。」
「にんじんは正直だ。無理をかければ乱れ、
適切な栄養を、適切なタイミングで届ければ必ず応えてくれる。」
倉地さんの言葉には、
長い経験のなかで辿り着いた判断の確かさが宿っている。
肥料を売る以上の役割を
5年をかけて形をつくるゆり根と、
1年で勝負が決まる人参。
そのどちらの時間も抱えながら、倉地さんは畑と向き合っている。
それぞれの作物が求める効き方に寄り添うことは、
私たちが果たすべき大切な役割だと感じている。
肥料は、生産者の未来を共にする存在でもあるからだ。
だからこそ、私たちは根拠や実績とともに肥料を届けていかなければならない。
倉地さんとの対話は、その視点を再認識するきっかけになった。
概要
栽培作物
・馬鈴薯
・ゆり根
・人参
・ブロッコリー
使用肥料
・アミノサッポロエース
・スーパーカルシウム
・パワフル有機3-7-0
・パワフル有機2-5-0
成功ポイント
①ゆり根に必要なカルシウムを「確実に届く形」で積み重ね、形状の安定化に成功
②にんじんの“暴れ”を抑え、形と収量の安定を実現
③「足りなければ足す・入れすぎは戻せない」という判断基準で施肥量を最適化